離 心 率


 放物線は,定直線(準線)からの距離と,定点(焦点)からの距離が等しいような点の集まりです. そこで,放物線上の任意の点Pに対して図のように記号を定めると,PF = PH が成り立っていることがわかります.つまり,PF/PH = 1 です.
* PF=PH だったら,どうして放物線なの?


 次に,任意の定数e に対して,PF/PH = e を満たすような点P の集まりが作る図形を考えます.もちろん,定数e の値によって異なる図形が得られます.

この e を2次曲線の離心率といいます.つまり,2次曲線の形は離心率によって分類できるのです.

双曲線( e =1.4)

双曲線( e = 1.1)


放物線( e = 1)

 e は離心率.

 図中の点は焦点

楕円( e = 0.5)

楕円( e = 0.7)


おまけ −−円の離心率−−

 楕円の場合,「離心率=焦点間の距離/長径」である事が知られています. 円の場合,2つの焦点がくっついている,と考えることができるので,焦点間の距離=0です.
 したがって,円の離心率=0 と考えることができます.
 実際,楕円において,離心率が0に近づくほど形は丸くなっていきます.この事からも円の離心率を0 と定める合理性を伺うことができます.