2009年1月号の補足

1 さまざまな曲線たち
2 距離を用いて表される曲線
3 媒介変数で表される曲線
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1.さまざまな曲線たち

高等学校ではいろんな曲線が登場する。

まずは,関数のグラフ

1.2次関数のグラフ(放物線)
2.3次関数のグラフ
3.三角関数のグラフ
4.指数・対数関数のグラフ
5.分数関数・無理関数のグラフ

次に,x, ,y の関係式で表される図形

6.直線・円(1次関数としての直線は高校にはない)
7.2次曲線(楕円・双曲線・放物線)

そして,媒介変数を用いて表される曲線

8.サイクロイド

がある。このほかにも,デカルトの葉線,リサジュー図形,アステロイドなど,面白い性質を持った曲線が登場する。

1月号では,この中でも,距離を用いて表すことのできる図形に焦点をあてて扱った。

三角関数のグラフ

デカルトの葉線 x3+y3=3xy

2.距離を用いて表される曲線

1点からの距離が一定−円

最も簡単なのは円で,定点からの距離が常に一定である。
中心C,半径aの円は,GRAPESでは,[CX] = a で描くことができる。

2点からの距離が等しい−直線

線分ABの垂直二等分線は,[AX] = [BX] で描くことができる。

2点からの距離の和や差が一定−楕円・双曲線

2点A,Bを焦点とする楕円は,[AX] + [BX] = 2a で描くことができる。
2点A,Bを焦点とする双曲線は,[ [AX] - [BX] ] = 2a で描くことができる。(双曲線の外側の“[ ]”は絶対値)

2点からの距離の比が一定−円

これは,アポロニウスの円と呼ばれている。
k [AX] = [BX] で描くことができる。(ただし,k≠0)

2点からの距離の積が一定−カッシーニの卵形線

[AX]*[BX] = a2 で描くことができる。
ABの距離 = 2a のときの曲線をとくにレムニスケートという。

卵としずく

k [AX] + [BX] = a で表される曲線を描くと,条件によって,卵になったりしずくになったりする。

GRAPESにおける距離とベクトルの扱い

関数電卓で“PQ”と入力すると,ベクトルPQが表示される。ややこしいようだが,“PQ”はベクトルPQを表す。
そして,ノルム記号“[ ]”を付けて“[PQ]”とすると,ベクトルPQの大きさ,すなわち線分PQの長さを表し,表示もただのPQとなる。



a = 1 , k = 0.8 , PQ = 1

a = 1.2 , k = 0.7 , PQ = 1
k [AX] + [BX] = 2a

3.媒介変数で表される曲線

本文では紹介できなかったが,パラメータ(媒介変数)を用いるとさまざまな曲線を表すことができる。

サイクロイド

直線上を円が転がるとき,円周上の1点の軌跡をサイクロイドという。
x = t - cos t , y = 1-sin t

アステロイド

大きな定円の内側を,半径1/4の円が転がるとき,円周上の1点の軌跡をアステロイドという。
x = cos3t , y = sin3t

リサジュー図形

単振動はx = cos at で表されるが,x = cos at , y =cos (bt-c) で表される曲線をリサジュー図形という。a, b, c の値によって,さまざまな曲線が得られる。

サイクロイド

アステロイド

リサジュー図形(a=2, b=3)

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