1 楕円の性質
2 2次曲接線の離心率
3 3D-GRAPES について
4 データファイルのDownload
楕円の定義2定点F,Gからの距離の和が一定であるような点の軌跡を楕円という。つまり,楕円上の点をPとすると, PF+PG=一定が成り立つ。 右図では。2つの同心円群の重なるところを順に結んでいくと楕円が得られる。 これをグラフィックデザイン風にしたのが,数学教育09年3月号の表紙である。 |
楕円(PF+PG=一定) |
楕円の接線の性質楕円の定義における2点F,Gを楕円の焦点という。楕円上の点Pにおける接線SPTを引くと, ∠FPS=∠GPTが成り立つ。これの幾何による証明は,意外とと簡単で中学生でも理解できるのではないだろうか。 証明は,「2次曲線ランド-資料館-楕円-接線」にあるので,ぜひご覧いただきたい。 このことから,鏡でできた楕円形の部屋があるとき,一方の焦点に光源を置くと,壁に当たった光は反射して,もう一方の焦点に向かう。このように,楕円の焦点には,放物線と同様に,光を集める性質がある。 |
楕円の焦点と接線 |
楕円の部屋を反射する光ここまでは,よく知られたことである。では,楕円形の鏡の部屋で,焦点以外の点から出発した光は,どのような軌跡を描いていくのだろうか? 右図はその例のひとつだが,「Visual壁新聞 - 楕円を反射する光」に資料があるので,これもぜひご覧いただきたい。 大変美しい性質である。 これも,やや複雑ではあるが,幾何の知識で証明できる。 |
放物線には,焦点からの距離と,準線からの距離が等しいという性質(定義)がある。すなわち,PF=PHである。 では,これを少し変形して,「距離の比が一定」であるようにすると,どうなるだろうか。 この比をeとすれば, PF=ePHを満たす点Pの軌跡を考えるのである。じつは, 0 < e < 1 のときには楕円になる。 これをモアレ模様で表現したのが下図である。 楕円,放物線,双曲線は,定義も方程式も異なっているが,このように見方を変えると,同じ仲間の曲線だということがわかる。 |
||
e = 0.8 (楕円) |
e = 1 (放物線) |
e = 1.2 (双曲線) |
モアレ模様は曲線の微妙な重なりからできているので,パソコン画面のようなドットの粗い画像では奇麗に見えない。上の画像も,パソコン画面ではなく,高品位な画像を作成してそれを縮小したものである。 ところで,この画像は(高3の)授業でもよく使っている。出来上がったモアレ模様を見せても感激が少ないので,上の画像を平行線と同心円に分解し,いろいろな幅の平行線を印刷した紙と,ひとつの同心円群を描いた透明なシートを用意して,生徒に配り,自分で重ねさせるのである。 ぜひ,お試しあれ。 |
3D-GRAPESは,空間の図形を,ワイヤフレームモデルで表示するソフトです。(2Dの)GRAPESほど多機能ではありませんが,描いた図形をマウスのドラッグで,どのような角度からでも,どのような距離からでも眺めることができます。本文では,3D-GRAPESサンプルの中から「円錐曲線」を利用しました。以下のURLからDownloadすることができます。 |