2007年8月号の補足

1 関数と方程式
2 いろいろなグラフ
3.データファイルのDownload


1.関数と方程式

 中学校では,直線は1次関数のグラフとして扱われる。直線をあらわすのは1次関数であり,「直線の方程式」という認識は希薄だ。だから,「2直線の交点の座標は,2直線の関数式を連立方程式とみて解けばよい」と言われても自明ではない。
 その意味では,今回の文章は,本文の最初にあるような「座標と方程式の再入門」などではなく,「座標と方程式の世界への扉」なのである。
 


2.いろいろなグラフ

 多くの図形では,方程式はy=f(x)ではなく,f(x,y)=0の形で表される。特に,円の方程式は,ひとつの関数として表すことはできない。
 一方,中学生が知っている演算や関数は非常に限られている。そこで,2次曲線や3次曲線などの代数曲線を紹介することにした。方程式と曲線の形を結びつけることは,中学生でなくても困難であるが,そこに新しい世界があることを実感してくれればよいと考えている。
 方程式が簡単で,形が面白そうものをいくつか紹介する。

ax2+bxy+cy2=d のグラフ その1

ax2+bxy+cy2=d のグラフは,b2-4ac<0 のとき,楕円になる。
(ただし,a,c,dは同符号とする)
右図は,x2+xy+y2=13 のグラフである。
多くの格子点を通っているので,中学生でも確認作業が容易であると思う。

ax2+bxy+cy2=d のグラフ その2

ax2+bxy+cy2=d のグラフは,b2-4ac>0 のとき,双曲線になる。
(ただし,,d≠0 とする)
右図は,x2+3xy+y2=1 のグラフである。

デカルトの葉線

右図は,x3+y3=3xy+a のグラフで,aの値を変化させたときのものです。
a=0 のときのグラフを「デカルトの葉線」といいます。

名前はない

左図は,x4+y4=2x2+2y2-a のグラフで,aの値を変化させたときのものです。
a=1 のとき,この式は2つの2次式に因数分解でき,2つの楕円が交差したグラフになります。

データファイルのDownload

参考文献
  「パソコンらくらく高校数学 図形と方程式」講談社 友田勝久・堀部和経