直線群や曲線群に接する曲線を包絡線といいます。
定点Aと直線上を動く点Pを結んだ線分の垂直二等分線を描いたとき,その包絡線は放物線になります。
理由は,次の通りです。放物線の定義は,『
c≠0 として, xy平面上の定点A( 0 , c ) と,直線
y = -c から等距離にある点Qの軌跡』です。
右の図では,点Qは線分APの垂直二等分線上の点ですから,
AQ = PQ ・・・@
を満たします。よって@を満たす点Qに接する曲線は放物線となりま
定点A( 0 , c ) を放物線の焦点,直線 y = -c
を準線といいます。
このときの放物線の方程式は,@式より
√( x2 + ( y - c )2) = | y + c |
両辺を2乗すれば,
x2 + ( y - c )2 = ( y + c )2
これを整理して
x2 = 4cy または, y = x2/4c
例えば c = 1 のとき,A( 0 , 1)に対する放物線は,
y = x2/4 となります(上図参照)。 (nitoubunsen_chokusen.gps→ページ最下部へ)
定義から,四角い折り紙を使って,放物線を描くことができます。関連する説明が下記URLにありますので,一度ご覧下さい。
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/quadratic/reflect/reflect.html
動点Pを直線以外の曲線上を動くようにしてみると,どんな曲線が描かれるでしょう。
本文中で作ったファイルを適当に名前を付けて保存しておきます。
点Aのプロパティを開き,座標をパラメータを使わずA(
0 , 1 ) と数値にし,さらに[ドラッグ]をチェックします。こうすると,点を自由につまんで(ドラッグして)動かすことができます。
点Pは,円周上を動くようにします。データパネルの「曲線」エリアの作成から図形名Pを選びます。プロパティ画面が表示されるので,[媒介変数表示]を選びます。プロパティ画面のPの座標表示窓をクリックします。
関数電卓が表示されるので,[関数3]のタグをクリックして,[roll(
t ) ]と入力して[定義終了]をクリックします。roll(
t ) は,(cos t , sin t)を表し,中心O( 0 ,
0 ),半径1の円を描きます。再びプロパティ画面が表示されるので,曲線と点の色と太さを選び,ラベルは適当な場所を選んで[OK]をクリックします。円の中心Oを「基本図形」の中から[O(
0 , 0 )](最後の方にあります)を選んで打っておきましょう。
今回は目盛り/軸表示ボタンを何回かクリックして,座標軸や目盛りを消しておきます。
点Aをドラッグして,円の外側で自由に動かして,垂直二等分線を描いてみましょう。点O,Aを焦点とする,きれいな双曲線が現れます。(nitoubunsen_en.gps→ページ最下部へ)
円の外側の定点Aと円周上を動く点Pを結んだ線分の垂直二等分線を描いたとき,その包絡線は双曲線になります。
理由は,次の通りです。双曲線の定義は『平面上で,2定点F,F'からの距離の差が一定である点の軌跡』です。
右の図で,点Sは線分APの垂直二等分線と直線OPとの交点です。点Sは,点Oと点Aからの距離の差が,常に半径OPに等しくなることが分かります。
(nitoubunsen_en.gps→ページ最下部へに,説明用の直線を表示・非表示するボタンを入れておきました。)
さらに点Aを円の内側にドラッグして動かしてみましょう。パラメータt
を動かすと,今度は楕円が現れます。画面を拡大して見てみるとよいと思います。(nitoubunsen_endaen.gps→ページ最下部へ)
丸い折り紙を使って,放物線を描くことができます。関連する説明が下記URLにありますので,一度ご覧下さい。
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/quadratic/reflect/reflect.html
2点A, Pを結ぶ線分の垂直二等分線をGRAPESで描くには,
の3通りあります。この中で1は方法としては分かりやすいですが,方程式を求めるのが面倒です。2や3は方程式を求める必要がありません。また,描画速度は,2→1→3
の順で速くなります。
ここでは,11月号本文の後半で使ったのと同じ3の方法で描くことにします。
点P( a(t-sin t) , a(1-cos t) ) サイクロイドの上を動かしたとき
(サイクロイド.gps→ページ最下部へ)
点P( t , at2 ) 放物線の上を動かしたとき
(放物線.gps→ページ最下部へ)
点P( a cos t , b sin t ) 楕円上を動かしたとき
(楕円.gps→ページ最下部へ)